花ハス(蓮)の育て方:花を咲かせるコツと季節毎の管理・メダカビオトープを楽しむ

花ハス(蓮)の魅力と睡蓮との違い

ハスの花の魅力

ハスは、中国から渡来し奈良時代には万葉集に蓮の和歌が詠まれたり、仏教では極楽浄土に咲く花とされ、古くから慈しまれてきました。泥の中から清らかな花を咲かせるため、インドでは聖者の花、中国では君子の花といわれています。

初夏を彩る花は数々ありますが、お寺の池やお城の堀などで一斉に咲いているハスの花をよく見かけるのではないでしょうか。中でも「大賀ハス」は、約2000年前の古蓮と推定され世界最古の花として脚光をあびました。

花の色は、ピンクや白や黄色などがあります。世界にはピンクや白の花を咲かせるアジア系の「ハス」と、アメリカに分布し黄色い花を咲かせる「キバナハス」の2種があり、両種の交雑により、多くの園芸品種が誕生しています。

ハスの花の命は4日間!?

参考ハスの花の4日間 | 大賀ハスの魅力

ハスは、花の咲き方もちょっと神秘的です。

  • 開花初日(花びらの先が少しずつ開いていきます)
    早朝4~5時頃から花弁がゆるみ始め、とっくり型に3~4cmほど開いたのち、全開せずに8時頃には閉じ始めてつぼみの状態に。雄しべが果托(ハスの実)に密着しています。
  • 2日目(この頃のハスの花がもっとも美しい時です)
    深夜1時頃からゆるみ出し、朝7~9時頃に全開します。花容が最も優美になり、葯が開いて香りが強まります。雌しべの先が濡れ、果托は黄色みを帯びます。
  • 3日目(朝9時頃に全開し、花径が最大となります)
    深夜1時頃から開きはじめ、9~10時頃に全開して花径が最大となります。花色はややあせ、昼頃に閉じ始め半開の状態で終わります。花托が緑色を帯びてきます。
  • 4日目(花弁が少しずつ散り始めます)
    8時頃までに全開となり、花弁が少しずつ散り始め午後3時過ぎには完全に散ります。花の退色が進み、果托上面は緑が濃くなり、雌しべの先が黒ずんできます。

こうして4日間のハスの花の命が終わります。たった4日の短い命を輝かせているハスの花、見事で素晴らしいです。

ハスと睡蓮の違い

項目 ハス(Lotus) 睡蓮(Water lily)
分類
ヤマモガシ目ハス科

スイレン目スイレン科
円形で切れ込みがない
浮き葉+立ち葉
撥水性があり、光沢がない
円形で切れ込みがある
浮き葉のみ
撥水性がなく、光沢がある
水面から高く出て咲く

花が終わると水上で花びらが散る
果托ができる

温帯産は水面に咲く
熱帯産は水面から突き出て咲く
花が終わると閉じて水中に沈む
果托ができない
地下茎が肥大し蓮根になる

温帯産はワサビ形の塊根
熱帯産は球根形の塊根

栽培カレンダー

出典ハスの育て方 – みんなの趣味の園芸 NHK出版

花ハス(蓮)の栽培環境~上手に花を咲かせるコツ

参考蓮の栽培方法・育て方 京都花蓮研究会

容器

ハスの花を育てるのには円形の大きくて深さのある容器が必要です。地下茎が角にぶつかると成長が悪くなるので四角い容器は避け、口径は最低でも直径30cm、深さ25cm以上は欲しい。大きいほど良く、水が漏れない構造ならば材質は何でもOKです。

用土

ハスの花は泥の中から茎を伸ばして花を咲かせます。用土は粘土質の土が良く、田んぼの土か、田んぼの土と同じような性質の「荒木田土(あらきだつち)」がベストですが、安価な「赤玉土」でも十分です。

肥料

水中での使用ですので、肥料は溶け出しが早くなり肥効が短くなりますので、説明書よりも「少な目の量を、こまめに与える」のが基本となります。

元肥

元肥として、緩効性化成肥料(N-P-K=10-10-10)を用土に混ぜておきます。

追肥

月に一度(4月から9月まで)IB化成肥料(N-P-K-Mg=10-10-10-1)(IB化成とは:窒素を水に溶けにくい形にし、ゆっくり溶けて窒素の肥効が長続きするようにした肥料)を追肥します。花が散っても、葉が枯れるまでは追肥を行います。

4月中旬頃から葉色を見ながら、直径30cmの容器で、大豆粒大のIB化成を5~10粒程度を目安に10日~2週間に1度程度与えて下さい。普通の鉢物と異なり養分が全て容器内に留まるので、やりすぎに注意して下さい。

肥料をやりすぎると藻が茂るので注意します。もし藻が茂ったら取り除き、水を1/3~1/4程度入れ替えます。

日当たり・置き場所

ハスの花を咲かせるのには日当たりが重要です。終日よく日が当たる場所に置いて管理します。日当たりが悪いと、花があまり咲きません。
少なくとも4~5時間以上は直射日光が当たる場所で管理するのが理想です。最低でも4時間以上日が当たらないと花が咲きにくくなるので、注意が必要です。

葉っぱが水面に茂りすぎ、茎に光が当たらないと枯れることがあります。変色した茎や茶色くなった葉は早めに取り除き、株元に日が当たるようにしましょう。

水管理

水位は、土の表面から10~20cm位まで水を溜めます。夏場は特に蒸発やハスの吸収などで水切れが起こりやすいため、葉の縁がしわしわになってきた場合、水不足が考えられます。夏場は水位を20cmほどに保つと安心です。
冬場は水位が低くなるとレンコンが凍る危険性が高まるので、10cm前後の水位を保ってください。

灌水は、ジョウロなどを用いて水中にたくさんの酸素が溶け込むように行います。水の交換を怠ると油膜のような汚れが水面に浮かんできてしまうことがあります。水面の油膜状に浮遊する汚れを洗い流すように、水が溢れるようにして交換します。

温度管理

ハスは暑さ寒さには強く、夏場に日光が良く当たり、水温が上昇することで活動が活発になります。夜は葉を冷やすために打ち水をすると良いでしょう。冬場は根が休眠するため土が凍らない程度の寒さならば大丈夫です。

花殻つみ・黄葉とり

花殻を放置すると実を結び株が衰弱するため、早めに花托を摘み取ります。また、散った花弁や雄しべが葉の上に落ちると、腐敗して葉が部分的に枯れるので、見つけ次第排除します。

生育期に黄色く変色した葉は、下から出てくる新芽を陰にするため、早めに摘みとります。ただし、8月中旬以降の葉は、レンコンに養分を供給する大切な器官であるため、枯れるまで残します。

植え付け・株分け

年1回植え替えないと、花が咲きにくくなります。成長を開始する3月、春の彼岸からソメイヨシノが散る頃までに株分けを兼ねて植え替をします。新芽をつけた塊茎を、先端から2節半もしくは3節半のところでカットし、容器の底に水平に植え付けます。大事な頂芽(先端の新芽)を傷めないように気をつけて行って下さい。最低一株に新芽を3ヶ以上付けて株分けすると良いです。

植え付けた種レンコンは、必ず萌芽するとは限らないので、株分けした残りのレンコンは予備として水に浮かべて残し、日なたで管理します。5月中・下旬になっても、萌芽がみられない場合は、土中で腐敗している可能性があるので、予備として残しておいたレンコンを植え直します。この際、予備レンコンからは浮き葉が出ているので、葉を水没させないように植え付けましょう。

季節ごとの生育サイクルと管理ポイント

春の管理(4月~6月)

ハスは春に浮き葉が出始め、一か月後には立ち葉が伸びてきます。そしてその立ち葉が生長していき、6月頃には花芽が水中から現れ約20日後に開花します。

  • 浮き葉が出る
  • 立ち葉が出る
  • 花芽が出る

2019年6月17日に知人より戴いた株分け株

(撮影:2019年6月18日)

花芽が水中から伸びてきました。株を戴いてから約20日の間に、立ち葉3本と浮き葉4枚が伸びています。

  • ハス(蓮):花芽1本、立ち葉5本+幼葉1本、浮き葉7枚+幼葉1枚

(撮影:2019年7月10日)

夏の管理(7月~9月中旬)

開花のピークは7~8月中旬頃になります。夏が終わり気温が下がってくると最後の立ち葉(止め葉)が出てくるのを合図に、茎の生長が止まります。

  • 開花
  • 止め葉が出る

秋の管理(9月下旬~11月上旬)

秋から初冬になると茎や葉は茶色くなり枯れて折れます。晩秋まで地下茎はまだまだ伸びますし、その後は地下茎が肥大を始めます。この頃まで肥料分が必要ですので追肥を続けて下さい。ただし最盛期ほどは必要としませんので、かなり少なめ(元肥の半量以下)で充分です。

  • 花や果托が枯れる

冬の管理(11月中旬~3月)

土の中のレンコンまで凍ってしまうような場所でなければ戸外で冬越し可能です。冬にはレンコンの先端の節は太くなっており、完全な休眠に入ります。春の植え付けには、この太くなった先端のレンコンを使用して植え付け・株分けを行います。

  • 休眠期

メダカビオトープを楽しむ

ビオトープとは?水辺の植物と生き物が暮らす自然の生態系を人工的に再現した生息環境。

自分の手で小さな自然を作り出すビオトープ、メダカなどの水生生物が元気に育つ環境は、水生植物にとっても素晴らしい環境です。綺麗な花を咲かせる水生植物と、水面から差し込む光に呼応し、えも言えない美しさをみせるメダカの住むビオトープを楽しんで見てはいかがでしょう。

屋外でハスと一緒にメダカを入れて育てると、鉢に湧くボウフラ(蚊の幼虫)を食べてくれ、フンが多少の肥料にもなる??というおまけもあるので、共存させたい生き物です。


・メダカ:(かねだい東戸塚店、10匹214円、餌:テトラ・キリミン35g 108円)
(撮影:2019年6月18日)

容器の大きさとメダカの適正数~1cmの魚1匹に水1リットル

メダカにとっての水は、人間にとっての空気と同じです。飼育できる魚の数は容器の水量で決まります。水質の悪化を起こさず、きれいな水を維持して、魚がストレスなく生きていくには「1cmの魚1匹に水1リットル」と言われてます。メダカの成魚を3cmとすれば、30Lの容量に10匹が、健康に生活するための適正数になります。

メダカを入れる前に~水合わせ

メダカを買ってきたら、容器に入れる前にまず「水合わせ」を行います。水中の生き物にとって水は空気のようなもので、急激に変化することでショックを起こしてしまう事があります。水合わせをすることによってメダカの環境変化による負担を和らげることができます。

  • カルキを抜くために一日くみ置きをした水を使います。
  • 買ってきた袋のまま水鉢に30~40分浮かべます。(水温合わせ
  • 袋の中に水鉢の水を少し入れて10分ほど浮かべ、この作業を2~3回行います。(水質合わせ
  • 袋の水が汚れている場合は、メダカだけすくい水鉢に移します。

メダカの餌やり~やりすぎに注意

メダカは食欲が旺盛のため、餌を与えた分だけ食べてくれます。屋外飼育だと容器に餌となる植物プランクトンが自然と発生するので、夏場は1日に1回で問題ありません。冬場はまったく動かないので餌をあげる必要がありません。
メダカは丈夫な魚であり、2〜3日に1回の餌でも死ぬことはなく、少ないかなというくらいがちょうどいいです。成魚10匹当たり、耳かき1杯の量を1日2回を目安にします。

メダカの冬眠

メダカの生育・繁殖の適温は、20℃~25℃位ですが、季節による温度変化に対しては、最低2℃位~最高35℃位までの水温に適応できるようです。

冬になり気温が10℃以下に下がると、メダカの活動はにぶり、休眠状態に入り、底でじっと動かなくなります。エサを与えても水面に上がって来なくなったら、餌やりを止めるサインです。そのような状態になったらエサやりを止めて越冬させましょう。

春になり気温が高くなってくると、メダカが冬眠から目覚め活動を始めます。最初はほんの少しエサを与え、水温が温かくなるにつれエサの量を増やしていきます。4月~5月頃になると、普通にエサを与えて大丈夫です。

メダカの繁殖にトライ~成功させるコツ

参考メダカを殖やす|神畑養魚株式会社
メダカ飼育の醍醐味の一つは採卵から孵化までを楽しむことがあげられると思います。メダカは水温が上がってくる時期になると繁殖活動がさかんになり、自然と繁殖してくれます。

早朝に産卵し午前中はメスのお腹に卵がくっついていますが、午後には水草に産み付けます。午前中に産卵を確認したら、午後には水草を引き上げて、飼育用の容器に移します。

繁殖に必要な道具


採卵用の産卵床:ジェックス メダカ元気 卵のお守り産卵床 白
卵・稚魚飼育用容器:ジェックス メダカ元気 育成メッシュ 丸型
(撮影:2019年7月8日)

採卵用の産卵床

メダカの産卵床用の水草にはホテイアオイがベストです。ホテイアオイが水の浄化と酸素供給の役割も果たしてくれます。根の部分が、なるべく張りがあって茂って伸びている、元気なものを選びます。
または、採卵用の専用産卵床を利用してもOKです。専用産卵床には、卵の付着状況が見分けやすいというメリットがあります。

卵・稚魚飼育用容器

親メダカは容器内の卵や稚魚を食べてしまうので、親メダカと卵・稚魚は必ず隔離して別々に飼います。13~17cmのコンパクトな容器や稚魚用の育成ネットなどが稚魚飼育に最適です。

稚魚の育成に最適のグリーンウォーター(青水)

グリーンウォーター(青水)とは

水中で植物性プランクトンが発生し、緑色に見える水をグリーンウォーター(青水)と呼びます。このグリーンウォーターがメダカの育成にとても効果的で、

  1. 植物性プランクトンが稚魚の餌になる
  2. 糞に含まれる有害な窒素化合物等を植物性プランクトンが栄養分として吸収してくれる

ので、稚魚の育成には最適な水となります。

グリーンウォーター(青水)の作り方

  • 容器に水をためて、よく日光の当たる場所に置きます。1ヶ月ほどすると、珪藻類が発生して水が緑色に変化して、さらに進行すると、大抵の場合、珪藻類は容器の表面に付着するか、底に溜まるようになり、水は薄緑色で透き通るようになります。この水をグリーンウォーターと呼びます。
  • もっと早く作るには、バケツに、1ヶ月くらい水換えしていない飼育水(=硝酸塩を多く含む、青水化に必要)を入れて、メダカを2~3匹(=排泄物にアンモニア&亜硝酸塩を含み植物プランクトンの肥料となる)、その他は何も入れずに日光がガンガン当たる場所に10日前後放置すると、早くグリーンウォーターが作れるようです。
  • グリーンウォーターの種水を使いエアレーショをすると、さらに早く、4日ほどで作れます。

グリーンウォーター(青水)飼育の注意点

植物プランクトンが殖えすぎると、夜間に消費する酸素の量が増加し、酸欠を引き起こしてしまいますので、定期的に濃さをチェックしましょう。
緑茶の色くらいの濃さならOKです。これ以上濃くなりすぎた場合、水を足して濃度を薄くしてあげます。日光が強い夏場は、植物プランクトンの増殖スピードが早いので、こまめに観察すると良いでしょう。
また、グリーンウォーターは容器の中が見え難いので、ボウフラやヤゴなどが混入してしまったときなどに、知らぬ間に稚魚が食べられてしまう恐れもありますので注意します。

卵を産ませるための条件~日照時間13時間、水温25℃を基本

メダカは春~秋(4月~10月頃)にかけて産卵をします。それは、日照時間と水温が大きく関わっています。

日照時間:1日約13時間以上の光が必要

メダカの産卵の条件の1つに「日照の長さ」があります。1日のうち明るい時間が約13時間以上になると繁殖できるようになります。

水温:適温20℃~25℃をキープ

比較的水温に対する適応能力の高いメダカですが、20℃以上の水温で産卵を始めると言われていますが、孵化に適した水温25℃を維持すると成功率が高くなります。

産卵から稚魚の育成まで

産卵~無精卵は除去

  • 産卵が近くなるとメスのおなかはパンパンに膨れ、オスがメスに寄り添って泳ぐようになります。
  • さらに時間がたつと、メスはおなかにぶら下げるような形で体外に卵を放出します。 このときペアとなっているオスが卵に精子をふりかけ、受精します。
  • その後、メスは産卵床となる水草やネットの中に入り、卵を産み付けていきます。 産卵床に卵がついていることを確認したら、産卵床ごと他の容器に移します。
  • 有精卵は透明で、手でつまんだくらいでは簡単には潰れません。
    無精卵は白く濁っており、手でつまむと簡単に潰れてしまいます。無精卵は水カビの発生などの原因になりますので取り除きましょう。
  • 10月になったら採卵をストップしましょう。 メダカが孵化し、越冬できる成魚になるまで最低3ヶ月かかります。今孵化した稚魚は、冬までに成魚になる事が出来ません。

孵化~孵化には 250℃日 必要


(撮影:2019年7月6日)

  • 卵が孵化するまでの日数には水温が大きく関係しています。「孵化には 250℃日 必要」と言われ、水温が高ければ早く孵化し、低ければ孵化までに時間がかかります。
  • 水温を25℃辺りで維持すると徐々に卵の中も変化を始め、10日ほどで孵化が始まります。20℃とかですとちょっと厳しく、なかなか孵化してこずにそのまま死んでしまうこともあります。
  • 生まれたばかりの稚魚はおなかに栄養のかたまりを持っていて、2~3日はこの栄養を消費して過ごします。
  • エサを食べるようになったら、グリーンウォーターの中で植物性プランクトンで育成するか、植物性プランクトンが無い状況なら、粒の細かい稚魚用の粉末飼料を与えます。

稚魚の育成

  • 孵化後、約1週間:体長 約 5 mm
  • 孵化後、約1ヶ月:体長 約 1.5 cm、このサイズになれば親メダカと混泳可能です。
  • 順調に成長した場合、約1ヶ月半で2 cm、約3ヶ月で3 cmの成魚の姿になります。
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